2015/1/8

ぼくエディのお正月

2015年がスタートしました。

僕も変わらず元気にがんばりたいなって思います。
初詣にも行ったよ。パパは大吉ひいちゃった。

 

年末年始はアクシデント。
ドギーズ神戸に行ったら、

トリマーお姉ちゃんとお兄ちゃんが
全員インフルエンザになって、お休みーーーーー。
僕はいつだってドギーズ神戸でお世話になっている。
歯磨きも定ねえちゃんにしてもらうし、
ちょっとのお留守番も一緒にしてる、のに!どうした?みんな大丈夫?

 

で、大丈夫だった人とお正月をお祝い。
会社から応援に来た人とも仲良しだよん。

 
みんなでおせち料理も食べました。

 

いつもお世話になっているから、“僕がドギーズ神戸をお守りしよう!”と決意。
仔犬ちゃんの様子を見に行って、クンクン点検^^^。
大丈夫だ。元気にご飯食べてるし。
生まれてからすぐだから、みんな小さい。
僕は“進撃の巨人”みたくおおきく見えるよ。

 

 

1月4日みんな元気になって帰って来てくれた、一安心。ホッ。

 

年末年始忙しかったから、今日はあったかいヒーターの前でゴロゴロねてます。

 

今年もよろしくお願いいたします。♥

abe_wao at 17:54 | コメントは受け付けていません。 | Trackbacks (0)

2014/6/23

≪癒やしのエディのひとりごと≫エディの感動――迷子の甲斐犬

先週金曜日、ママと散歩してたら目の前を大きなワンちゃんが、一人でうろうろ
道に迷ったみたいに歩いてる~。車もたくさん走っていて危険だ!
みんなが、「何?誰のワンちゃん?」と不安そうに眺めていた。
ママと友達はその様子を見て警察に110番。ワンちゃんはどんどん歩いて行っちゃうから、知り合いのお兄さんが後をついて行って、位置確認をしてくれた。
大きな1メートル30センチくらいのワンちゃんで、人が近づくとスピード出して
逃げちゃう。
その日は、警察の人も追いかけた人も見失って・・・

僕とママは、心配してた。
次の日、ママが知り合いのお姉さん(僕も知ってるよ)に、なにげなくこの話をしたんだ。
そうしたら、そのお姉さんの近所の人のワンちゃんが逃げ出して探しているってわかって・・・。「うそ~。ほんと~?」
黒い大きなワンちゃん、甲斐犬っていうことも分かった。花火の音にびっくりして逃げちゃったらしい。
すぐに飼い主さんに☎して、探しているワンちゃんだってわかった。繋がった!
奇跡だ。
でもワンちゃんがいない~。どこ行った?

僕ん家の近くへは来たことないのに。飼い主さんはすぐに僕の家の周りへ来て、3時間も探し続けた。でも見つからない。雨が降ってくるのに、大丈夫かな~。
迷子のワンちゃんと飼い主さんは繋がったのに、肝心のワンちゃんが迷子のままだ。
みんな心配してたんだ。
周りの警察にも連絡したし。あとは誰かが見つけて☎してくれるの待つしかないーー。

日曜日朝。
☎が鳴った。おじさんからだ。
「昨日の夜中2時半ごろ、自力で、家に戻ってきました。
いろいろ有難うございました」
やったー!僕はママと踊って喜んだ。
良かったね。良かったね。事故にも会わなくて良かったね。

日本犬は飼い主以外には近づかないらしい。自分のお家も覚えていて帰れるって聞いたことがあるけど、そうなんだ。
僕はずいぶん感動した。
ワンちゃんの目印は赤い首輪だった。目立っていたから、覚えやすかった。
「ところで、エディはちゃんとお家に帰ってこられる?」ってママが。
「そんな無茶ぶり~~。たぶん、無理だと思う。だって小さいし臆病だもん」^^^

エディ、もう一つの感動―――

どうやったらワンちゃんを探せるだろう?ママは考えた。
そうだ。コピーライター糸井重里さんのツイッターで、迷子犬を拡散してもらって、探してもらってるのを見たことがある。それよ。
糸井さんに、拡散お願いしてみましょう。ママは外だったから知り合いのお兄さんに頼んで依頼してもらった。
なんと、糸井さんはすぐさま拡散してくれた。65万人のフォロワーの人にこのことを
伝えてくれた。
同時にリツィートもどんどん入ってきて、みんなが気にしてくれてる。
ちょっと呼びかけるとたくさんの人が反応してくれる。
すごいね!有難いね。
今回は自力で帰ってきたので、お礼を言ったら、「良かったね」って糸井さんが
コメントくれたんだ。ワンちゃんを飼っている糸井さん、優しくて素敵な人だ。

abe_wao at 12:52 | コメントは受け付けていません。 | Trackbacks (0)

2012/6/29

第5話 神戸まつりと金環日食

5月はいい季節だけど、ボクにとってはちょっと騒々しい月だ。神戸まつりっていうのが3日間あった。ボクのマンションのすぐ下の公園にテントがいっぱい張られて、朝から何やら打ちつける音やら音楽やらで昼寝をするボクにとっては安眠妨害だ。

「エディ、日曜日(20日)にはパレードがあるから行ってみようね」とママ。「去年もパパに抱っこされて見に行ったでしょう?覚えてない?」そういえば屋台でタコ焼きっていうのを少しもらって食べたのを思い出した。今度はいろいろ食べられるんだって思って尻尾を振った途端「エディ、今年は屋台のものは食べないのよ。塩分が多いからね」とママが言った。がっかりだ。気安く尻尾を振るもんじゃない。パパはパレードにあまり興味がないらしい。「何とか祭りってのはへんな服装をした人が踊ったり、タイコを叩いたりして通り過ぎるだけ…」ってのがその理由だって。ボクもややパパの意見に近い。

 

 
何やら騒々しい中をパパとママと歩いてフラワーロードまで行った。「去年より人が少ないね」とパパ。「ミッキーがパレードする頃にはいっぱいになるわよ」とママ。パパがボクを抱っこして人前に出た。な、なんと…道いっぱいにものすごい数のオバさんが整然と列をつくって並んでいる。「エディ、どこまで続いている?」パパがボクを高い高いしてくれた。驚いた。ボクの視界のずっとむこうまで続いている。おねえさんは…と探してみても一人もいない。みんなオバさんだ。神戸中のオバさんが集結している感じだ。パパの会社のオジサン図鑑どころじゃない。オバさん図鑑が1000冊以上出せそうだ。全員が同じユニフォームでいつもこのあたりで見るおねえさんより背が低い。でも背すじをピンと伸ばしてまっすぐ前を見ている。一生の晴れ舞台って感じ。「エディ、みんなの着ているのはユカタっていって、昔の人は夏になると着てたんだ」パパが教えてくれた。

 
しばらく我慢して見てると田舎くさい音楽が大きな音で流れてきて、オバさんたちが一斉に右手を上げたり、左手を上げたりして、その度にすり足で前に進んでいく。神戸まつりの歌なんだって。それにしてもへんな踊りだ。いつもお家のテレビでママといっしょにK-POPのおねえさんの歌と踊りを見ているボクには信じられない光景だ。ボクが目まいがしそうになっていると「エディ、ミッキーが来るまでドギーズ神戸で休ませてもらおう」とパパが言ってくれた。正直ホッとした。

ミッキーとミニーはさすがに人気者だ。観客の数がさっきとは全然違う。ミッキーが手をふると、一斉に写真を撮る。自分が見るより写真を撮るために参加している感じ。あんな風な人気者になれたら気持ちいいだろうなって眺めていると、ミッキーはあっという間に通りすぎて行った。後にもいろんなパレードが続いたらしいけど、疲れたので早々にお家に帰った。

 

次の日は金環日食だって。太陽が月に隠れるんだって。「このあたりでは282年ぶりに見られるんだそうだ…」とパパ。数日前に会社の科学実験チームの人に特別につくってもらったボードを持って朝早くから東の空を見ている。「結構雲が多いな。いろんな準備をしても、雲にさえぎられたら終わりだ」とパパ。今度はママの番だ。うっすら見える太陽にボードをかざして「あれ、このボードおかしくない?わたしの顔しかうつらないよ!」「そんなはずはない。会社の専門家が作ってくれたんだから。太陽がちゃんと出てないんじゃない?」とあきれ顔のパパ。「あーすごいよ、よく見える。太陽が少しずつ月にかくれていく!」さっきの騒ぎを忘れたようにママが言って、パパにボードを渡した。パパは自分でしっかり見たあと「エディ、見えるか?すごいだろう?」とボードをボクの目の前にかざした。真っ黒なボードの中に、小さな輪がキラッと光ったので、ボクはあわててそれをなめようとしたら「エディ、食べものじゃないんだよ」って引き戻された。TVでは次の金環日食は…って話をしている。人間の興味とか欲望とかは限りがないのかな?

wao at 20:32 | コメントは受け付けていません。 | Trackbacks (0)

2012/6/29

第4話 創立記念日

5月15日は会社の創立記念日。36回目の今年は会社の新しい方向を話し合う大事な会議があるらしい。全国から県の責任者が集まるので、ボクも挨拶に行くことになった。でも会議をするところも、食事をするところも、ボクたち犬は入れないんだって。ボクは人に迷惑をかけない自信があるのに・・・。人間社会はまだまだ閉鎖的だ。

代表室の人たちが気を遣ってくれて、前に行ったことのある第1ビルの1階の会議室でグループ別に写真を撮ることになった。
 

19の県の責任者と本社(大阪・東京)の幹部の人たちが集まるんだって。今日は来ていないけど、ほかに15の県にも会社があるんだって。前に新神戸から新大阪まではじめて新幹線に乗ったとき、パパが「若いときにこれに乗って、日本の全県に何度も行ったんだ」って話してたのを思い出した。お家にはいないことが多かったんだって。ボクはそのとき飼われていなくてよかった。だって、パパと遊べないでしょう。

 

ママは「新幹線の次は飛行機に乗ってみようね。外国に行けるといいね」って言っている。ママはいろんな国に行って、外国人のお友だちも多いんだって。

ボクもパパやママみたいにいろんなところに行って、いろんな体験をしてみたいな!

 

会議を終えた責任者の人たちが集まってきた。ボクのことはホームページなんかで見ているみたいで、声をかけてくれたりハイタッチをしてくれたり・・・。役員の人の次は、地域ごとに集まって写真を撮っていった。あとからあとからオジサンが集まってくる。すぐに「オジサン図鑑」ができそう。パパはよっぽどオジサンが好きらしい。だって入社するには社長の面接があるんでしょう?

「エディくん!」ってやさしい声がして女の人に抱きかかえられた。梅田の学校に行ったときの、モデルのおねえさんのときみたいにキスしようとしたら、誰かが叫んだ。「エディ、お腹をこわすからやめた方がいいよ!」またあのカメラマンのオジサンだ、カメラマンはいつも一言多い。って思ってよく見るとナント違う人だ。顔も体つきも見分けがつかないくらいソックリだ。パパもちょっと前まで時々間違えていたらしい。この人はワオっち!っていう大人気の知育ゲームの企画っていう仕事をした人なんだって。今は広報室でカメラマンの人(ディレクター)の上司なんだって。広報室の人たちも時々間違えたりするのかな?

 

ボクを抱いているおねえさんは大学の仕事をする部署の責任者で、いつも大学のえらい人を相手に仕事をしているらしい。ボクがクラクラってしたのもムリはない。後でおねえさんからメールが来た。「おねえさんって呼んでくれてありがとう。お腹大丈夫でしたか」。もちろん、お腹は何ともなかった。ボクが女の人についてオバサンとおねえさんを区別しているのは年齢じゃない。若々しい感じがすればおねえさんなんだ。一方、男の人についてはK-POPみたいな若いイケメン以外はみんなオジサンだ。だって男の人は年齢より年とってみえる人が多いでしょう。

 

写真を撮り終えて、ちょっと疲れたボクがピンクのオープンカーのベッドで休んでいると、背の高いオジサンがいかにも親しげに接近して声をかけてきた。「エディ、その車いいやんか。どこの車に乗っとるん?」後で聞いたら広島弁だって。このときの写真を見たパパが「車のディーラーみたいだね。広島にはマツダって会社の本社があるし、車にうるさいのかもね」

 

食事までの間に第2ビルの方に行ってみた。きれいなおねえさんがいたので、思わずボクは駆けよった。声優って人や先生もいた。表彰されるんだって。ボクも会社のためになっていつか表彰されたいな!本社の人たちでまだ写真を撮っていなかった人たちとも一緒にパチリ。

 

7時過ぎになってボクは一人で夕食を食べた。パパもママも会議の人と食事会に行っちゃった。お家じゃないところで夕食を食べるのは初めてだ。ボクはちょっと心配になったけど代表室のおねえさんが二人で世話してくれたので何とか我慢できた。と、そのとき突然ボクの体に顔を押し付けてきた人がいる。「うわぁ、ふわふわやぁ、めっちゃいいにおいだね」また、あのカメラマンのそっくりオジサンだ。

 

次の日、ママがドギーズ神戸で、オジサンにいろいろ触られたり顔を付けられた話をしたらお店の人が「エディくん、オジサンのにおいついてない?」って言ってくれた。

wao at 20:28 | コメントは受け付けていません。 | Trackbacks (0)

2012/6/29

第3話 思い出(1)ママとの出会い

去年(2011年)の4月15日。ボクは一生この日を忘れないだろう。

何故って?ボクがはじめてママに出会った日だから。それもちょっとした偶然で!

 

場所は三宮のドギーズ神戸というお店。ボクは妹のベルともう一匹の子犬(ゴメン、名前は忘れた)とサークルの中でじゃれあったり、ボンヤリ道ゆく人を眺めたりしていた。時々、腰をかがめてサークルの中をのぞいていく人がいる。そんな中にママがいたんだ。

この日ママは偶然この道を通りかかった。そしてふっとサークルの方を見たんだって。犬を飼ったことなんて一度もなかったし、飼おうなんて思ってもいなかったママなのに。

ママはお店の人と少しお話をして、帰りがけにまたボクを見たらしいけど、ボクはベルと遊んでいたので覚えていない。

 

夕方オジサンを連れて、またやってきた。それがパパだった。ママは「近くのお店に耳が裏返るかわいい子犬がいるの、行ってみない?」って言ったんだって。

後で聞いたんだけど、この日はパパの69回目の誕生日。そんな大事な日にボクに会いに来てくれたんだ。お店の人がボクを抱き上げて紹介してくれた。「エディくんです。この子は2月7日生まれでとてもおだやかな性格の子なんです」

「エディか、つぶらな目がとてもかわいいね」パパが言った。「今日は耳が裏返ってないね」「トイプードルは耳の位置によって裏返りやすい子がいるんです」とお店の人。「裏返ったのを全然気にしないで遊んでるところがかわいいの」とママ。

 

その夜、パパとママはボクを家族に迎えるかどうか真剣に話し合ったらしい。特にママはボクを本当に幸せにできるかどうか悩んだんだって。そして最後にパパが言ったらしい。

「ママが飼ってみたいならそうしよう。このマンションは犬が飼えるんだし、十分な広さもある」パパとママは半年前に今のお家に引っ越してきた。20年以上も住んでいた前の部屋は、ずっと狭くて動物も禁止だった。「このマンションもママが見つけたんだし、ここに来なければエディとの出会いもなかった。偶然のように見えて、必然だったのかもしれないよ」

 

次の日は土曜日。二人は昼過ぎにお店に来た。(午前中は映画「クレヨンしんちゃん」を見に行ってたんだって)ママはボクを家族にするための手続きをしながら、まだ気がかりのことをお店の人に質問した。

 

「病気になったら?狂犬病とか、感染症とか・・・」

「二人とも忙しいので、家を空ける時があるけれど・・・」

「毛が抜けないって本当?」

「トイレは決まったところでする?」

「吠えてマンションの人に迷惑にならない?」

その間、ボクはずっとパパに抱かれていた。それを見てお店の人が「ご主人は犬を飼ったことがおありですね」と聞いた。

「抱いているところを見ればわかります。」

「あっ、実家で飼ってましたね。外犬でしたけど。」

「いつ頃ですか?」

「大学で京都に来た頃ですから、50年くらい前ですか」

「ええっ、50年前?」

 

お店の人は目をパチクリ。

犬を飼うのは二人とも「ど素人」だってわかってちょっぴり不安になったらしい。お店の人の気持ちがボクに伝わった。以心伝心ってヤツだ。ボクもちょっと不安になって体を曲げてパパの顔を見ようとした。「あっ、臭い!」とパパが言った。「エディ、ウンチしたんじゃないか?」「えっ、ウンチ?」いくらボクがチビでも人に抱かれたままでウンチなんかするわけがない。そう思ってまたパパの方を見ようとしたらパパの手がお腹のあたりにあたった。「あっ、エディまた臭いぞ」とパパ。「あー、わかりました。エディがオナラをしたんです」とお店の人。「エディはすっかりご主人さまに抱かれて安心してるんですね。2回もオナラをするなんて。まったく珍しいことです。」

さすがにお店の人は上手いこと言う。

 

「名前はエディのままにしましょう」新米のパパとママは翌日の日曜日からボクを飼うことに決めた。超特急で準備だ。サークル、トイレトレー、ドッグフードはお店で調達。その他のものは近くのショッピングセンターで。お店の人が一緒に行ってくれた。ペット関係の品物があまりに多くてびっくり。何を選べばいいのかわからない。何とかテント式のベッドと食器、水飲み器、そして2、3のおもちゃを選んで、夕方お家にセットした。

その間、ボクはボンヤリ新しいパパとママのことを思っていた。ボクたちには、仕事をしたり、TVを見たり、旅行やショッピングをしたりなんて楽しみはない。ボクたちは飼ってくれる人といつもいっしょにいること(たとえ留守の時があっても)その人たちの愛情によってしか幸せになれないんだ。

パパとママは新米だって不安はあるけど、ボクを大事にしてくれるに違いない、と思って眠りについた。

 
そして日曜日。パパとママは小さなバッグを持って迎えに来た。ボクはすっかりうれしくなってバッグに入って新しいお家へむかった。途中、ベルのことが頭に浮かんだ。ボクと同じ日に生まれたのに、ボクよりひとまわり小さいベル。女の子にしてはヤンチャな、どこかひょうきんなところのあるベル。血を分けたたった一人の妹なのに。もしかしたら遠いところに飼われていってしまうかもしれない。ボクだけ喜んでいて、ベルに悪いことをしたと思った。

 

新しいお家のあるマンションの入り口にカブトが飾ってあって、パパとママと記念写真を撮った。5月5日の男の子の節句のお祝いの飾りだって。外国の人も多く住んでいるので、日本の文化や習慣にちなんだものを飾るらしい。

お家に入ってびっくりした。広い。パパが抱っこしてボクを案内してくれた。「お客様用の寝室とリビングは出入り禁止。あとはエディの自由だ」

夜、ママが用意してくれた夕食を食べて、おもちゃとスリッパで遊んだ。ボクの新しい生活が始まったんだ。

 

 

(その後わかったことだけど、妹のベルはすぐ近くのお家の家族に迎えられて、ボクは時々ドギーズ神戸で会っている。

パパに禁止されたお客様用のリビングと寝室にはたまに入って探検している。)

wao at 20:24 | コメントは受け付けていません。 | Trackbacks (0)

2012/6/28

第2話 挨拶まわり(1)

「エディー、今日は会社の人たちに挨拶に行くの」家を出るときママが言った。「たくさんの人に会うので疲れないようにね」車を降りていつもの5階に行ったけどパパはいなかった。会議中だって!パソコンの前で写真を撮ることになってちょっと大きな机に。「役員」というえらい人の机なんだって!「役員」ってどんな仕事をするんだろう?ボクも「役員」になれるかな?

 

ママとカメラマンの人たちと2階と3階と4階の人たちに会いに行った。どこの階の人もみんな気持ちよく迎えてくれた。特に印象に残ったのは4階だ。たくさんの人がボクの周りに集まってきた。よくみると結構年配の人が多い。

その中で1番前の方にいたオジサンらしい人がボクに近づいて手を差し出した。ボクも応えて握手をした。バシャっとシャッターの音。同時にカメラマンの人の声がした。「エディくん、ちょっとまぶしかったね」ボクは意識してオジサンらしい人の頭の方を見ないようにしていたのに何てことを言うんだ!まぶしくなかったといえばウソになるし・・・。でもオジサンらしい人はとてもいい人だった。パパも髪の毛のことを気にしているようだけどボクは信じている。「髪の毛の寂しい人に悪い人はいないって・・・」

 

「エディ、ごうかくクンと記念撮影よ」ママが言った。「ごうかくクン?」1階の受付のところにいたド派手な真っ黄色の奴だ。そばで見たら全身顔だらけの怪物だ。ボクは思わず「ワン」って威嚇しようと思ったけど、ママもいたしおねえさんもたくさんいたので我慢した。「エディ、ごうかくクンは試験を受ける子に人気があるんだ。広報の先輩でもあるから仲良くしないとダメだぞ」後でパパに注意された。

 

 

もうひとつのビルの1階に行ってみんなと交流したあとお弁当を食べた。ちょっと疲れてママが買ってくれた車の形のベッドに横になっていると「エディー、チッチは?」とママの声。トイレトレーも用意してくれたけど、ボクは人の家ではトイレをしたことがない。お家ではどんなに遊んでいても必ずトイレトレーまで行って用をたすんだけど。「そうだ、エディ会社の周りを散歩しよう」とママが言ってボクを外に連れ出してくれた。助かった。ボクは急いで電柱や植え込みの適当な場所を探した。その時、変な予感がして振り向くと何とカメラマンの人がついてきていた。まさか、この人はボクのトイレの決定的なところを写そうっていうのか?でもそうじゃなかった。散歩している姿を写したかったんだって。

 

 

午後、駅の方にあるルネサンス高等学校に行った。290もある学校の中で一番近いんだって。犬を3匹飼っているという女生徒が真っ先にボクを迎えてくれた。みんな若い。さっきまでと大違いだ。

 

ボクはみんなに囲まれて気をよくしているとヘアピンの女生徒がボクに急接近してきて大声で叫んだ。「エディ、ウチあんたんこと、好いとーばい・・・」ボクはママの腕の中で20センチくらいのけぞった。すごい迫力!これが「肉食女子」なのか?ボクは頭の中が真っ白になった。ボクにはアリアちゃんとかミミちゃんとかガールフレンドがいるけど「好いとう」なんて言われたことがない。後で聞いたら「佐賀弁」で言ってたんだって。方言で話すのが流行ってるんだってー。

 

気を取り直して前を見ると、男の生徒が「癒やしのエディ、癒やしのエディー・・・・・・・」何回も何十回も言ってくれている。ボクの名前が念仏になるなんて思いもしなかった。突然やさしい手でボクは抱き寄せられた。「誰?」と見るとものすご~くきれいな女の人だ。いつもママから「クレヨンしんちゃんみたいにきれいなおねえさんにデレデレしないでね」と言われていたのをすっかり忘れて、その人にキスしてしまった。責任者の人が「この子はモデルなんです」と言った。「モデル」って何をするのかな?ボクは「役員」じゃなくて「モデル」になってもいいなって正直思った。ちらっと見ると責任者の人が「エディ君、ちょっと接近しすぎだよ」という顔でボクを見ていた。この学校の生徒たちはみんな明るくて個性的でボクは大好きになった。みんなが言ってたんだって。「先生、教室で犬を飼いたい。名前はエディ パート②」

wao at 17:56 | コメントは受け付けていません。 | Trackbacks (0)

2012/6/21

第1話 入社式

月日の経つのは早い。パパとママが「エディを社員犬にしようか」って話し合っていたのは、うんと寒い頃だった。「社員犬?ナニそれ!」って思ったけど、どうせボクが大きくなってからのことだと思って忘れていた。それがもう入社式だって。夜、ママが「エディ明日はこれを着よう」ってボクの服を選んでくれた。ラガーマンのパーカーJ・PRESS 02ってカッコいいヤツだ。

 

そして、朝。いつものゴハンの後で「お赤飯」っていうのをちょっともらった。口の中がグニャグニャしたけどがまんして食べた。ボクが入社するのは、ワオ・コーポレーションという会社だ。前にママの車に乗って2回行ったことがある。その時いろんな人がボクのそばに来て「エディー」とか「かわいいね」とか言ってくれたけど、そのむこうにパパがいたのにはびっくりした。パパはいつも朝「バイバイ」って出て行って、夜帰ってくるけど、こんな所に来てたんだ。パパがこの会社の社長サンなので、ボクは入社できたんだって。それって「コネ」っていうヤツ?パパは「わが社ではじめての縁故社員だ」って言ってるらしい。

 

ところで、入社にあたってママが「エディの名刺がいるわね。肩書もあった方がいいわ」って言った。ボクが寝ている間に決まったのは「癒やしのエディー」。「有名なサザン・オールスターズの『いとしのエリー』からとったんだ。いいだろう?」とパパ。「私たちもそうだけど、エディに癒やされる!って人が多いからピッタリよ」とママ。「肩書」ってそんなに簡単に決まっていいのかな?正式な仕事は「広報」と「癒やし」だって。広報はわかるけど、癒やしなんて部門は聞いたことがない。

 

「勉強している子どもたちと親、仕事をしている社員の気持ちを和ませてくれればOKだ。エディ、給料なしのボランティアだけど頼むぞ」とパパ。ボクにそんな力があるのかな? ボクはごはんもつくれないし、ケージも開けられないし、チッチ(オシッコ)やウンチの始末もできない。みんなパパとママがやってくれるんだ。だからパパとママのためになることなら、何だって引き受けるって決めた。それに、ボクだって犬として生まれた以上、犬なりに社会のために役立ちたいという気持ちもある。

入社式の日。会社の人が特別に車で迎えに来てくれた。ボクはちょっと緊張したけど、ママの横で外を見ているうちすっかり安心してウトウトしてしまった。入社式って、何か言わなきゃいけないんじゃない?ボクはボーっとしながらママに抱かれて車を降りて、いつもの5階へ行った。「エディくんおはよう」「エディくん今日は頑張ってね」「エディちょっと見ない間に大きくなったやん」いろいろな声の主の間を歩きまわっているうちに、ボクが式に出る時間になった。ボクはママに抱かれて1階の会議室へ。

  

そこには今日からボクの同僚になる人たちが並んでいた。

「おうエディ」とか言ってくれると思ったけど、誰もそんなことは言わない。ボクを見て顔はちょっとゆるんだけど無言だ。机の奥にパパがいて、ボクはパパに抱かれてみんなに向き合った。よく見ると、みんな賢そうだ。たくさんの人の中から選ばれた人たちなんだって。ボクはちょっと不安になった。ボクはみんなのように試験も受けてないし、面接もしなかった。それに、まだ1年と2ヵ月しか生きていないんだ。どうしよう!

 

その時、ボクはママがほめてくれる時にいつも言ってくれることばを思い出した。「エディは賢いね。人間だったら東大に入れるかもね!」東大?そうだ、ボクは東大なんだ! って思った途端ちょっと気が楽になった。「これがさっき話した社員犬、癒やしのエディだ。みんなよろしく頼む」とパパがボクを紹介した。それで式は終わり。ボクはすっかり元気になってみんなと記念写真をとった。この同期の人たちと一緒に会社のためになれるといいな!

 

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  • プロフィール

    名 前:エディ
    犬 種:トイプードル
    誕生日:2011年2月7日
    性 別:男の子
    性 格:穏やかで愛嬌者。社交
        的で犬好き・人好き。
    お仕事:癒やし&広報

  • SNS

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